阪東橋から始まった挑戦が、3年で横浜4拠点へ
2022年8月、横浜市中区の阪東橋に1号店を開いたチャレンジラボは、利用者の受け入れ拡大と請負作業の増加という二方向の需要に応える形で、関内・吉野町・蒔田へと拠点を増やしてきた。現在の4店舗はそれぞれ独自の作業ラインナップを持ちながら協同運営されており、利用者は自分の状況や得意に合わせた拠点を選べる。就労継続支援B型として、体調や生活リズムを起点に無理なく働ける環境が横浜市内に広がっている。
利用者の平均年齢は40歳前後で、男女比6:4。就職をゴールに据えて前向きに通所している方が多数を占め、「とにかく一歩踏み出したかった」という声がよく聞かれるという。4店舗のネットワークが、その一歩の選択肢を広げている。
「代表が現場に立つ」という事業所の流儀
チャレンジラボの工賃水準を支えているのは、代表の尾森氏自身が清掃技術を身につけ、現場でご利用者様に直接指導するという体制だ。不動産・内装・廃品回収の協力会社からの直接受注により、エアコンクリーニング・ハウスクリーニング・空室清掃といった専門性の高い業務を継続的に請け負っている。代表が品質管理を担うことで、高水準のサービスと安定した受注を同時に実現してきた。
この仕組みが生み出す全国平均を上回る月5〜7万円の工賃、そして月の3/4出られる方が目指せる10万円超という水準は、「頑張りに対して返ってくる」という感覚と直結している。個人的には、代表が技術者として現場に関わり続けるという姿勢が事業所の信頼感の核になっていると感じた。
多彩な作業が「向いているもの」と出会う機会になる
組み立て・梱包・シール貼りといった内部軽作業から、Webコンテンツ制作・イラスト作成・ダイレクトメール代行まで、チャレンジラボが用意する作業の種類は多岐にわたる。外部では清掃業務に加え、学校のワックスがけやプール清掃といった季節案件もあり、体力や適性に応じて作業を組み合わせられる。「短時間から始めたい」「体調に合わせて調整したい」という要望にも個別対応しており、決まった型を押しつけない運営方針がある。
イラスト好きの利用者が事業所のロゴを制作し、デザインに関心のある方が名刺を手がけた事例が積み重なっている。「向いているかもしれない」という気づきが作業の中から生まれやすい環境が整っている、という声が届いているようだ。
専門職の配置と地域連携が支える、入り口から出口まで
理学療法士・介護福祉士・公認心理師・精神保健福祉士が在籍するスタッフ構成は、代表の医療現場での経験から導き出されたものだ。通所前の生活相談から受給者証の申請サポート、個別支援計画の立案まで、利用開始までのプロセス全体をスタッフが支える。現在の利用者の9割以上が実質ゼロ負担で通所しており、経済的なアクセスのしやすさも入り口の広さを支えている。
地域包括支援センターやケアプラザとの連携により、医療・福祉機関からの紹介ルートも整備されている。自社雇用を通じた一般就労への移行という選択肢もあり、「チャレンジラボを卒業した」という経験を持つ利用者も既に出ている。


