プールへ、スケートへ、電車に乗って
特定非営利活動法人クライムの移動介護には、知的障がいのある子供たちの外出に付き添う役割がある。プールで水に親しむ日も、スケートリンクに立つ日も、電車に乗って遠くへ出かける日も、スタッフが道中から現地まで一緒に過ごす。神奈川県相模原市中央区を拠点に、子供たちの「行ってみたい」という気持ちを、実際の外出という形にしていく。
付き添うのは移動の間だけではない。買い物や余暇の時間そのものに寄り添い、その場での過ごし方まで一緒に組み立てる。外の世界と関わる時間が、子供の世界を少しずつ広げていく。
「シェルパ」として道のりを共にする
特定非営利活動法人クライムでは、介助にあたるスタッフを「シェルパ」と呼んでいる。シェルパとはヒマラヤ登山を支えるネパールの民族で、その同行なしに登頂は成り立たないほど登山者にとって欠かせない存在だ。子供の外出に付き添うスタッフの姿は、険しい道を共に登る同行者と重なる。障がいがあっても、支える人がそばにいれば困難を越えていける——その考えが、子供支援の場面でも生きている。
名前の由来には、「そこにみんなの住む町があるから」という思いが込められている。町で自分らしく過ごしたい、楽しそうな場所へ行ってみたい。そんな子供の素朴な望みに応える手立てとして、シェルパ・サポートは立ち上がった。
家族とともに、子供の暮らしを支える
子供の外出を支えることは、その家族を支えることでもある。日々付き添いを担う家族の負担を、専門のスタッフが一部引き受けることで、家庭に少しの余裕が生まれる。特定非営利活動法人クライムが障がいのある人自身とその家族の双方に向き合うと掲げるのは、子供の暮らしが家族と切り離せないという実感からだろう。
移動の足としては、福祉車両を使った福祉有償運送も用意されている。車椅子のまま乗り降りできる車があれば、遠くの目的地まで安心して向かえる。個人的には、遊びや外出を子供の権利として扱い、そこまで踏み込んで支える姿勢が印象に残った。相談は042-776-8133、相模原市中央区陽光台の事務所で受け付けている。

